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東京在住セレクトショップ運営

コンビニと同じくらい靴下工場がある町。

 

靴下の町

靴下ソムリエについて紹介した記事で、奈良県は靴下の有名産地であることをお伝えしました。

奈良には広陵町というところがあります。この町はまぁよくある田舎なんですが、一つだけ変わったところがあります。町全体が靴下工場だらけみたいです。町役場のホームページで18個の工場が載っています。人口およそ33,000人なので、1800人に1つ工場がありますね。東京はコンビニが約7,200あるそうです。人口が1億3000万なので、こちらも1800人に1つのコンビニがあります。むむっ。 

そんな奈良の靴下産業を代表する企業がタビオ株式会社です。靴下屋、Tabioの2台看板で日本全国に実店舗を構えています。また、2002年からは、海外展開も始めロンドン、パリ、では実店舗をアメリカではonline storeを展開しています。

 

タビオの歴史

1968年、靴下問屋を創業します。当時の社名は「男」を音読みして「ダン」でした。自社企画商品の開発に取り組み、専門店として当時一世を風靡していた三愛、鈴屋、玉屋と商売をしていました。在庫管理に力を入れて、事業を拡大すると、訪れる資金繰りの危機。なんとか乗り越えた先では、利益重視に方針を変えます。自社商品がぞんざいに扱われている現実に悩んでいると、直営店の話が舞い込み、1982年、神戸に直営店を構えます。面白いのは店舗名でDOS, direct operation systemの略だったそうです。靴下にも社名にも関係ない屋号は、自社の在庫管理手法に対する自信が見えます。続けて「靴下屋」をオープンします。急成長が続き、時代が移り変わる中POSシステムも導入して確固たるサプライチェーンを構築します。その中核に位置するのが、取引工場立ち上げた組合で名称がCSM(コスモ)です。明らかにSCM(サプライチェーンマネジメント)を意識してると思います。ちなみに、CSMの拠点となる建物ができたのは1993年11月11日、靴下の日です。ポッキーの日ではない。

2000年には大阪証券取引所2部に上場、靴下専業としては初の上場という快挙です。2006年には社名を「ダン」から「タビオ」と改め、現在に至ります。

 

私がアパレル業界にいるからかもしれませんが、この会社の歴史は産業自体の成長、衰退、時代に立ち向かう変革の気概がありありと感じられます。いつかNHKで朝の連続テレビ小説にでもしてくれませんかね。

 

 

参照元

タビオ株式会社website

https://tabio.com/jp/corporate/company/about/history.html

東京都総務局統計部 http://www.toukei.metro.tokyo.jp/jsuikei/js-index.htm

ミトク https://mitok.info/?p=119597