マスコットキャラに愛人がいる。
福助、蘇った老舗。
袴を着た小僧が手をついているロゴを皆さんご存知だと思います。足袋から事業を起こし、現在は売上のおよそ4割が靴下を占めています。この老舗は20世紀末にはライセンス事業を広く展開し、フクスケのブランド価値が大きく傷ついていました。
復活
伊勢丹の名物バイヤーとして名を馳せた故・藤巻幸氏が経営に加わり、ブランドの立て直しに当たりました。当時多くのメディアで取り上げられました。私も当時大学でブランドマーケティングをかじっていた関係で、関係する本を何冊か読みました。今振り返ると、藤巻さんというカリスマを抜擢してメディアの注目を集め、VMDからの改善、アパレルの経験を活かしたマーケティングの手法を取り入れて行ったのは、ブランド事業の立て直しとして非常に模範的な例で学ぶところが多いです。
フクスケというブランド
ホームページを見てみると、特色ある構成になっており、この会社が何を大事にしているかがよく見えてきます。
福助キャラクター推し
トップページの下段に「Fukusuke CONTENTS」と題して、マスコットの福助を紹介し、ヒストリー、グッズ展開、果てはミュージアムと、このマスコットをぐいぐい推してきます。
さすがだな、と思うのはゆるキャラになってしまいそうなモチーフを、純和風のテイストで、しかし古臭くならないようにアップデートしたデザインにしている点です。
福助グッズはマスキングテープ、ベアブリック、ラインスタンプなどの商品構成です。ターゲットが明確になっているからできることだと思います。
ヒストリー押し
福助キャラの欄にヒストリーがありますが、かなり力が入っています。
年表形式のサイドバーを設けて、スライドが約20枚。どのスライドも読みたくなるキャッチコピーです。そして文字量はかなりコンパクトに絞っているので飽きることもなく最後まで読んでしまいます。すばらしい。
それ以外にもブランドヒストリーを感じさせる仕組みがたくさんあります。ホームページの大きなバナー一枚目がヴィンテージ感あるミシンの写真で始まったり、会社概要やリクルートページで創業年を一番最初に押しています。
ものづくりに関することや、機能性に関することなどをホームページから省いて、自社が持つ歴史という資産を軸にしたブランド構築をしていることがよくわかります。
あ、あと最後に。